ジャズ喫茶カウントに行く
ひょんなことから久々に仙台に行った。金曜日の4時頃から駐車場に車を止めて、中心部をひとりで徘徊する。学生時代に通った中古CD屋が軒並みつぶれていて、30年目の老舗サウンドユーも、最後の一店だった広瀬町店が7月で閉店してしまうようだ(7月は15日までは全品3割引、15日以降は全品半額だそうなので、仙台近辺のかたは行ってみてはいかがでしょうか。ここは値段は高いですが、東京のユニオンと遜色ないレベルの廃盤が多数あるのが魅力です)。いく店いく店閉店になっており、寂寥感やら、これも時代の流れかもしれないなというような妙な納得感やらを複雑に感じながら、物思いに耽っていた。そんなこんなで、小生が住んでいたときに比べて、仙台のジャズ関連の店は思いっきり凋落してしまっていたが、ここだけは絶対につぶれてほしくないという店が一店だけあった。それがジャズ喫茶カウントである。2時間ほどで、中心部のCD店を廻り終え、いざカウントへ。「まさかつぶれていないよな」と、一抹の不安を抱えたまま向かっていった。あった。今も営業していた。「あー、よかった」。なじみのコカコーラの看板が何も変わらずに立てかけてあった。
中に入る。マスターもそのまま。あの時間を止めたような独特の空間もそのままだ。何も言わないで水を出すマスターに、コーヒーを注文し、マスターがコーヒーを持ってくる。レコードを交換すれば、必ずそれを店の中央にある譜台に載せる。そしてAメンかBメンかを示す板を裏表にする。おそらく何十万回と繰り返してきたマスターのこのルーティーンは、もはや様式美といえるほどこのジャズ喫茶に溶け込みもはや風景の一部にすらなっているように思う。先客に出張のビジネスマン風の人が来ていたが、すぐに帰ってしまい(その人も店を出るときすごくうれしそうだった。きっと小生と同じように滅多にこられないが、仙台に来たときは必ずこの店に行くと決めているようなファンはとても多いと思う)、小生が滞在した1時間において、結局55分は小生とマスターの二人だけだった。そんななかで小生はひたすらジャズを浴び(大音量でアルテックを聴くのは、むしろこの表現のほうがしっくりくる)、細く長い快感に浸っていた。私的な感傷も少しはあったのかもしれないが、こんなにジャズはいい音楽なのかと再認識させてくれる素晴らしい1時間だった。最後にコーヒー2杯分のカネを払い、ありがとうございましたと双方が言って、店を出た。ちょうど空が薄暗くなるところであった。気分は吹っ切れたように晴れやかだった。また自分なりに今やれることを頑張ろう。そんな気持ちにさせてくれた2年ぶりのカウント訪問だった。
追伸
ジャズファンなら、ジャズ黄金時代(50、60年代)の王道ジャズに固執し、フュージョンや女性ヴォーカルなどを流さない古風なマスターの選曲も、ぼろぼろの黒椅子を含め、もはや文化遺産のような趣を呈している店の雰囲気も、絶対に気に入るだろうと思います。年齢を重ねるほどに変わらない場所というもののありがたみが感じられるようになり、小生にとってはその場所が、2年に一回ぐらいしか行かなくてもカウントだったりするのです。学生時代からことあるごとに行って、その当時の自分と向き合う場になってきたような気がしますが、そんな場所がこれからも続いてくれることを切に願っています。
参考 カウント紹介サイト
中に入る。マスターもそのまま。あの時間を止めたような独特の空間もそのままだ。何も言わないで水を出すマスターに、コーヒーを注文し、マスターがコーヒーを持ってくる。レコードを交換すれば、必ずそれを店の中央にある譜台に載せる。そしてAメンかBメンかを示す板を裏表にする。おそらく何十万回と繰り返してきたマスターのこのルーティーンは、もはや様式美といえるほどこのジャズ喫茶に溶け込みもはや風景の一部にすらなっているように思う。先客に出張のビジネスマン風の人が来ていたが、すぐに帰ってしまい(その人も店を出るときすごくうれしそうだった。きっと小生と同じように滅多にこられないが、仙台に来たときは必ずこの店に行くと決めているようなファンはとても多いと思う)、小生が滞在した1時間において、結局55分は小生とマスターの二人だけだった。そんななかで小生はひたすらジャズを浴び(大音量でアルテックを聴くのは、むしろこの表現のほうがしっくりくる)、細く長い快感に浸っていた。私的な感傷も少しはあったのかもしれないが、こんなにジャズはいい音楽なのかと再認識させてくれる素晴らしい1時間だった。最後にコーヒー2杯分のカネを払い、ありがとうございましたと双方が言って、店を出た。ちょうど空が薄暗くなるところであった。気分は吹っ切れたように晴れやかだった。また自分なりに今やれることを頑張ろう。そんな気持ちにさせてくれた2年ぶりのカウント訪問だった。
追伸
ジャズファンなら、ジャズ黄金時代(50、60年代)の王道ジャズに固執し、フュージョンや女性ヴォーカルなどを流さない古風なマスターの選曲も、ぼろぼろの黒椅子を含め、もはや文化遺産のような趣を呈している店の雰囲気も、絶対に気に入るだろうと思います。年齢を重ねるほどに変わらない場所というもののありがたみが感じられるようになり、小生にとってはその場所が、2年に一回ぐらいしか行かなくてもカウントだったりするのです。学生時代からことあるごとに行って、その当時の自分と向き合う場になってきたような気がしますが、そんな場所がこれからも続いてくれることを切に願っています。
参考 カウント紹介サイト
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まとめtyaiました【ジャズ喫茶カウントに行く】
ひょんなことから久々に仙台に行った。金曜日の4時頃から駐車場に車を止めて、中心部をひとりで徘徊する。学生時代に通った中古CD屋が軒並みつぶれていて、30年目の老舗サウンド